都市生活に最適化された旅の制服。TEATORA「Device Coat」レビュー

都市生活に最適化された旅の制服。TEATORA「Device Coat」レビュー

2019年5月5日
むかしは年齢が上がるにつれて、服装も変わっていくものだと思っていましたが、最近では生活が変わることで、着る服装が変わっていくのではないかと感じています。

学生時代はすこし派手めな色のもの、社会人になってからはフォーマルによったもの。いまでは旅の移動のストレスを感じず、ぎりぎりビジネスで許容できる服装に変わりつつあります。

とはいえ、そんな欲張りなスタイルに寄り添ってくれるような服装は、なかなか見つかりませんでした。そんなときに出会ったブランドが「TEATORA(テアトラ)」。

なかでも「パッカブルシリーズ」のデバイスコートは、求めていた服装にカチリとハマりました。春夏秋と着ている頻度がもっとも高いアウターであることが、その良さを物語っています。

今回はそんな旅の制服として、テアトラ「デバイスコート」の魅力を、余すことなくお伝えしていきます。

新たな旅の制服としてのテアトラ「デバイスコート」

そもそもなぜ僕が移動に特化した服装にこだわり始めたのかというと、旅では普段の生活では感じない些細なストレスが積み重なり、大きな負担になると気づいたから。

バスや電車、タクシーに飛行機と、1日に慣れない場所を行き来すると、それなりに気を使うことが増えてくる。

となると機能性に特化した服を探すわけですが、デザインが良くないと着る気にはなれない。そんな欲張りな考えに答えてくれるものが、テアトラでした。

TEATORA(テアトラ)とは

「頭脳職のための機能服」をコンセプトに掲げる、働く人に特化したブランド「TEATORA(テアトラ)」。独自のギアチャートを設け、特定の用途やシーンに特化した機能服を揃えています。

テアトラがどんな信念のもと立ち上がったブランドなのかは、こちらのインタビュー記事にわかりやすく書かれているので、ぜひ見てみてください。

今回ご紹介するデバイスコートは、旅の荷造りを快適にする「パッカブルシリーズ」にあたる、テアトラを代表するアウター。

デバイスコートを選んだ理由

僕がテアトラの良さを実感したのは、「ウォレットコート カーゴ アンブレラ」というコートを着るようになってから。これ自体はどちらかというとレインウェアに近い感覚で着ていました。

普段の生活や旅先でもサッと着れるコートがほしかったということもあり、新しく旅立つタイミングでデバイスコートを購入。

決め手は都市生活に溶け込む機能性とデザイン。国内や日本とさほど環境が変わらない国であれば活躍してくれると思い、これに決めました。

テアトラ「デバイスコート」レビュー

まずは機能面とデザイン面から、特筆すべき点を4つ挙げます。
  • 旅に役立つ収納性とパッカブル仕様
  • 体温調節のための360°ベンチレーション
  • 気を使わず扱える強靭なナイロン素材
  • ゆとりのあるストレスフリーなシルエット

最後に全体の装いと気になる点を見ていきましょう。

旅に役立つ収納性とパッカブル仕様

一見なんの変哲もないコートですが、ちょっとした外出ならカバンいらずで過ごせるほどの、収納スペースがあります。
前面左右にある大きなタブレットポケットは、iPadや雑誌が入る大きさ。さらに同じポケットのなかには、パスポートや財布を収納できるウォレットポケットもあります。
コートの内側の右部分にも、小物やモバイルバッテリーなどを収納できるポケットがふたつ。左部分のパッカブルポーチは着用時、セキュリティポケットに。
折りたたみポーチに入れてみるとこんな感じに。実際そこまで小さくならず重量もそこそこ感じますが、移動の際に収納しておける大きさなので、スーツケースに入れる分には許容範囲。

体温調節のための360°ベンチレーション

両サイドには、大小のベンチレーション(通気口)が備わっています。コート内の熱気を外に逃がす役割を担う。当初はあまり必要ないと思ってましたが、いざ着てみると必須の機能でした。
小さなベンチレーションについては、コートの外側からパンツのポケットにアクセスしたり、内ポケットに入れたモバイルバッテリーのコードを外に出して使うことも可能。
とくに移動の際は座っている時間も長いので、座ったままパンツのポケットにアクセスできる点は便利。

気を使わず扱える強靭なナイロン素材

デバイスコートは独自のナイロン素材のおかげで、丸めて収納してもシワがつきにくく、広げればサッと着れる。 軽くてシワになりにくい、耐久性を誇る生地でありながら、気軽に洗濯もできるので、あまり汚れを気にせず着れるのも、ストレス軽減のポイント。

ゆとりのあるストレスフリーなシルエット

デバイスコートといえば、オーバーなシルエットが特長ですが、実際に着てみると、肩周りにゆとりがありストレスフリーな着心地。

腕を一周まわしたときに肩部分が張らない服かどうかは結構気になるのですが、そこにも窮屈さは感じずとても快適です。

適したサイズ感はどれか?

デバイスコートを購入するうえで、いちばん悩んだポイントは、どのサイズにするか。ジャストサイズのものを着るか、一回りオーバーサイズのものを着るかです。

サイズの違いで、見た目の印象や着心地は変わります。とくにコートの丈で大きく変わってくるのかなと。僕は着心地に加えて丈の長いものが好きなので、一回りオーバーなものに決めました。

テアトラ「デバイスコート」の装い

デバイスコートは、Tシャツの上に羽織るぐらいがちょうどいい。鈍色のようなツヤ感のおかげで、羽織るだけで様になるのが良い。

テアトラが多くのクリエイターから支持されているのは、一貫して実体験に基づき創られたものであることだと考えます。

旅先で着るたびに、洗練された「機能とデザイン」をラフに纏えることの快適さを、感じずにはいられません。

デバイスコートを着用するシーン

国内の移動では、10℃を下回る環境でない限り持っていく。夏以外のシーズンではほとんど着用しています。

ストリートスナップが好きなので、レンズやカメラの周辺道具を大きなポケットに入れておける点は、とても重宝しています。
とくに治安の面で気をつかう国が多いので、できる限り荷物を少なくし、ハンズフリーで移動できる点はありがたい。

ちなみに、海外では日本とさほど変わらない環境の国で着ることにしており、それ以外のタフな環境では、THE NORTH FACEの「ガジェットハンガーコート」を着ています。

テアトラ「ウォレットパンツ」とのセットアップ

「基本的にロング丈のコートには、細身のパンツを合わせよう」といいますが、意外とゆったりとしたパンツにも合います。

僕はおなじテアトラのウォレットパンツを履き、セットアップで移動することも多い。ちなみにパンツも一回り大きいゆとりあるものを着用しています。

▶︎移動時のセキュリティ対策はこれで解決。TEATORA「WALLET PANTS packable」レビュー

テアトラ「デバイスコート」の気になる点

せっかくなので、デバイスコートについて頭によぎりそうな疑問点を3つ、実体験に基づき書いておきます。

どれぐらい寒さをしのげるか

デバイスコート自体に保温性はさほどありませんが、首元までボタンがあり、防風の役目を果たします。なのでコートの下に着込めば、寒さもある程度しのぐことはできます。

体感としては中に着込めば、気温10℃ぐらいまでなら耐えれました。ちなみにオーバーサイズのシルエットだと、着込んでもしんどくない。保温性を求める場合は、同じ型の「デュアルポイント」シリーズがおすすめです。

収納力過多ではないか

「収納ポケットが多すぎて、使わないんじゃないか」と気になっている方もいると思います。実際のところ、よく使うのは前面左右のタブレットポケットと、さらにその内側にあるウォレットポケット。

とくに前面左右のポケットには「ペットボトルやカメラレンズ」、内側のポケットには「パスポートや現地通貨」を入れることが多いです。
そのほかコート内側の右部分に「AirPodsや目薬」などの小物を収納するときも。必須ではないですが、あると便利という感覚です。

左部分のポーチは使う頻度があまりないので、取り外せるとなお良いかもしれません。それ以外の収納部分は利用頻度が高く、使わなくても邪魔にならないのがグッド。

なぜロングコートなのか

デバイスコートに限らずですが、僕が着ているコートはだいたいロング丈。正直なところ移動を考えると、ロング丈は煩わしいのが事実。

それでもやっぱりロング丈なのは、好きだからに他なりません。あと、ポケットに手を入れながら歩いていると落ち着くんですよね。

もちろんセキュリティ面にも恩恵があります。パンツのポケットが隠れることで、スリなどの防犯対策にもなるので一石二鳥なのです。

最後に

コンセプトが明確であること、デザイン面と機能面の両方が、エッジの効いたコートであること。以上から、好き嫌いが分かれる商品だと思います。

だからこそ、すこしでも気になった方はぜひ、いちど実物を試着してみてほしいです。ちなみに僕は東京・千駄ヶ谷の旗艦店で、思う存分悩んだ末に購入しました。

実際に商品を着てきたスタッフの方が、実体験に基づいた感想を教えてくれるので、もし東京に来られる際はいちど訪れてみることをおすすめします。

もちろん取り扱いショップもあります。公式サイトにショップリストがあるので、お近くのお店を探してみてください。

以上、テアトラ「デバイスコート」のご紹介でした。この記事を読んでくださった方の移動が、より楽しく身軽なものになれば嬉しいです。

撮影:上田龍(@r____93