ポートレート、スナップともに、単焦点レンズの使用頻度が多いのですが、要所要所で活躍してくれるレンズがあります。
それが「XF14mm F2.8 R」。
35mm判換算で21mm相当となる広角レンズ。広角はより多くの情報を写し、独特の遠近感や歪みが生じるので、使いこなすには慣れが必要です。
しかし、上手く使いこなせると、標準域では撮れない世界に出会えるのが、広角レンズの魅力だと考えます。
今回の記事では、「XF14mm F2.8 R」を1年使用した感想と作例を紹介します。
XF14mm F2.8 Rはどんなレンズ?

- 焦点距離:14mm(35mm判換算:21mm相当)
- 絞り値:f2.8〜f22
- 最短撮影距離:標準:30cm〜 マクロ18cm〜
- 質量:約235g(レンズキャップ・フード含まず)
- フィルターサイズ:58mm
XF14mm F2.8 Rを選んだ理由
広角レンズはまだ必要ない。最初はそう思っていました。標準域のレンズより、使用頻度が少なくなることは、目に見えてましたから。
ですが、旅先のホテルやカフェを記事で紹介するようになってから、広角レンズの必要性を感じるようになりました。
そんなこともあり、広角特有の歪みが少なく模写性能に優れていると評判だった、XF14mm F2.8 Rを購入。
広角レンズは苦手意識があったのですが、実際に使ってみて、極端な歪みがない分使いやすく、意外と親しみやすいというのが第一印象でした。
XF14mm F2.8 Rの特長
- 広角レンズでも手に収まるサイズ感
- 鏡筒上に「被写界深度指標」の表記
- ダイナミックなフードデザイン
①広角レンズでも手に収まるサイズ感

フルサイズのカメラを使ったことがある方は、広角レンズといえば重く大きいイメージがあると思います。
なので、レンズレビュー毎度お馴染みの話になりますが、このサイズ感はいつまでも推したいポイント。レンズが手に収まるサイズだと、持ち運びがだいぶ楽になるので、気軽にバッグに入れておけるんですよね。
日常の延長線上に「撮る」がある人は、いつでも気軽に撮れることの大切さを知っています。
カメラとレンズが軽いと持ち運ぶハードルが下がり、撮りたい気持ちが持続するのは素晴らしい利点だと思います。
②鏡筒上に「被写界深度指標」の表記

XF14mm F2.8 Rには、鏡筒上に「距離指標」と「被写界深度指標」が表記されています。といっても、この表記を有効活用したことは、まだありません。
でもいいんです。フォーカスリングを動かして、隠れた「被写界深度指標」が姿を表す。そのギミックだけで楽しくなれるんですから。デザインの観点では二重丸です。
③ダイナミックなフードデザイン

今回はあまり外観について書くことが見つからなかったので、少し強引ですが、フードデザインについても触れておきます。
レンズのデザインは、フード込みで成り立つと思っているのですが、皆さんはどう感じますか。フードはヒトに例えると「前髪」みたいなもので、顔の印象を決定づける大切なパーツだと考えます。
個人的にはX-Pro2を使っているので、フードのフォルムはもう少しフラットなデザインでもいいのかなと感じました。
XF14mm F2.8 Rの作例
最初に撮影したときの率直な感想は、素直に写ってくれるということ。広角特有の歪みや周辺減光が抑えられており、見たものを鮮明に写してくれる。
遠いものを小さく、近いものを大きく。広角レンズの特性はそのままに、だけど極端すぎない素直な模写性能。
それは壮大な景色を撮影するだけでなく、様々なシーンでも活躍。作例ではシーンごとに分けて紹介します。
景色や建物の写真





景色や建物の写真は、下から見上げるように撮影することが多い。
インドのバラナシで撮影したガンジス川の写真を見てもらえると、いかにクセの少ない広角レンズか、わかっていただけると思います。
ちなみに防塵防滴ではないので、ホコリや水まわりにご注意ください。
スナップやポートレート






今日は広角レンズだけしか使わないと決めて、ストリートスナップに挑戦してみるのはどうでしょう。
様々な情報が入ってしまう広角レンズですが、撮りたい対象を決めておくことで、情報が散らばらない写真が撮れると思います。
あとは距離感をどれだけ縮めることができるか。上からの俯瞰撮影もしやすいので、意外とスナップにも重宝するレンズだと気づきました。
狭い空間で撮影するのが面白い





狭い空間で撮る広角の面白さもあります。
路地だったり、室内だったり、人が密集している場所だったり、あえて情報を凝縮させて撮ってみるのも新鮮で面白いです。
F2.8なので、ある程度光がある空間なら夜間も撮影できるのが、嬉しい。
最後に

XF14mm F2.8 Rで、目の前の世界がもっと広がった。
前回「XF23mm F2 WR」のレビューを書いたとき、見る世界が広がったと書きました。そして、3本目にXF14mm F2.8 Rを選び、見る世界がもっと広くなり、もっと近くにあるものを撮るようになりました。
標準域と比べると、多少クセはあります。おそらく標準域のレンズと比べても、使用頻度はそんなに多くないかもしれません。
それでもあるとき、ほしいな、必要だなと思うのが、広角レンズです。もしいまこの記事を読んでくださっているあなたがそうなら、迷わず購入されることをおすすめします。どうかこのレンズで新たな広角ライフをお楽しみください。