NikonのD750からFUJIFILMのX-Pro2に乗り換え、1年経った今も、変わらず愛用し続けているレンズがあります。
XF35mm F1.4 R。35mm換算で約52mm相当の単焦点レンズです。カメラを始めた当初からずっと使い続けてきた、50mmという画角に美しいボケと確かな描写力。
僕にとってはすっかり馴染んだレンズで、スナップはもちろん仕事でも大活躍しています。今日は「XF35mm F1.4 R」のレンズの魅力と作例を、余すことなくお伝えしていきます。
CONTENTS
XF35mm F1.4 Rはどんなレンズ?
- 焦点距離:35mm(フルサイズ35mm判換算:52mm相当)
- 絞り値:f16〜f1.4
- 最短撮影距離:28cm〜
- 質量:約187g(レンズキャップ・フード含まず)
- フィルターサイズ:52mm
50mmといえば、人がなにかをじっと見たときの視野とほぼ同じ。撮る対象が決まっていれば、使いやすい距離感のレンズです。
最短撮影距離が28cm〜と、意外と寄れてしまうので、テーブルフォトも、すこし距離を保てばいけるのが便利。
XF35mm F1.4 Rを最初の単焦点レンズに選んだ理由
もともと単焦点レンズの50mmの画角が好きだったことと、F1.8より明るいF1.4がほしかったこと。
そんな思いから、FUJIFILMに買い換えたらXF35mmF1.4 Rにしようという気持ちが、ありました。しかし実際購入を決めたのは、いくつかのレンズを実際試し撮りしたときです。
XF35mm F1.4 Rを使ってる感覚がしっくりきたのと、圧倒的に切り取る画の雰囲気が好きだったこと。その場の空気感も綺麗に表現できる画づくりに感動したんです。
1年経ってからも当時の感覚はそのままで、今でも写した画を見て、感動する自分がいます。
XF35mm F1.4 Rの特長
- ちょうど良いサイズ感
- 外観デザインもかっこいい
- フードあってこそのレンズ
①ちょうど良いサイズ感
Xマウントレンズの強みは、まずコンパクトなこと。Nikonから富士フイルムに乗り換えたときも、最初に感動したのが優れた携帯性。
カメラとレンズは軽ければ軽いほど、撮影しようという気にもなるし、普段から持ち歩きたい身としては、本当にありがたいんです。
その中でもXF35mm F1.4 Rは、手の中に収まるちょうど良いサイズ感。これは撮影していて心地よいわけです。元一眼レフ所有者からすると、レンズを2,3本持ち歩いても、あまり苦じゃありません。
②外観デザインもかっこいい
手に持ったとき、金属づくりが手になじむ感じ、分かるでしょうか。ひんやりとした質感は、つい頰をくっつけたくなるほど気持ちいい(関係ないか)。
なにが言いたいかって、レンズが金属づくりで、質感を感じる。操作性に関しても、絞り・ピントともにスムーズに動き、合わせやすいです。
③フードあってこそのレンズ
デザインでも特にお気に入りなのが、フードをつけたときの外観です。
このレンズは普段からX-Pro2につけっぱなしになんですが、それはX-Pro2との相性が抜群に良いからなんですよね。
レンズフードの部分は使い込めば使いほど風合いが出て、かっこよくなります。
XF35mm F1.4 Rの気になる点
1年使用していて気になる点も少し。
- 手振れ補正がない
- 防塵防滴ではない
- AF速度がやや遅い
手振れ補正なしと防塵防滴ではない点は、フジユーザーの間でよく指摘されることですが、あまりそこまで問題に感じたことはありません。
手振れ補正がない点は、F値が低いことで、ある程度カバーできます。夜間撮影も真っ暗でなければ、意外と撮れるのがありがたい。
防塵防滴がない点も、撮影シーンに気をつけていれば、そこまで気にする必要性はないのかなと。ただ過去に砂埃のなか撮影して、ゴミが入ってしまったので、多少気を使うようになりました。
いちばん気になるのが、AF速度の遅さです。新しいレンズは静かに「スッ」と合ってくれるんですが、このレンズだと「クククッ」とワンテンポ遅い。
動くものを撮影するときは、結構厳しいです。しかし、このAFの遅さすらも、このレンズの個性だと思えるかどうか。ここでこのレンズは好きかどうかが問われる気がします。
ことこのレンズに関しては、ちょっと鈍感なところがあったほうが愛らしいというか、より愛着持てませんか?
いや、やっぱりAFは早いに越したことはありません。僕はそんなに不便だと感じたことはありませんが、気になる方は一度、しっかり試してみることをおすすめします。
XF35mm F1.4 Rの作例
このレンズを今でも使い続ける理由は、圧倒的な表現力あってこそ。写すと決めたものにしっかり向き合い、そのシーンでの主役を引き立ててくれる。
それがXF35mm F1.4 Rというレンズです。さっそくポートレート・スナップ・テーブルフォトの3つに分けて、作例を見ていきましょう。
主役がグッと引き立つポートレート
ポートレートを撮るうえで、50mmは近すぎず遠すぎず、自分にとって最適な距離感です。レンズを構えずとも、ある程度構図の範囲をイメージできるまでになりました。
近づけば無駄なものは入らず、その人自身を撮ることができるし、離れれば背景をうまく生かしつつ撮ることもできます。
なぜか旅先ではイヌに遭遇することが多い。だからちょこっと挨拶して、写真を撮らせてもらいます。警戒されるので、かならず挨拶を忘れずに。
動物は動き回るので、止まった瞬間を逃さず撮影しましょう。と言っても、寝ている写真が多いのですが。動物の撮影にはくれぐれもお気をつけください。
瞬間瞬間のワンシーンを切り取るスナップ
写真を撮るときに意識するのは、光と影。特に影のあるところについ目がいってしまいます。いい影を見つけたらカメラを構えてシャッターを切ってみる。
それだけで画になることがあるから、写真って不思議です。F1.4とF値も低いため、夜間の撮影も問題なし。ISO3200だと拡大したときに粗が出てきますが、引き伸ばさない限り大丈夫。
香りや食感が感じられそうなテーブルフォト
ご飯をうまく撮るコツは、「おいしいなあおいしいなあ」と思いながら、シャッターを切ること。もしテーブルフォトを撮るときに、もう一工夫ほしいなあと思った場合、動きを入れてみましょう。
すくってみたり、切ってみたり、かき混ぜてみたり。不思議なことに、その動きひとつで手触りのある写真に、仕上がるんです。
最後に
自分に合った焦点距離が分かっていれば、その焦点距離でF値が低いレンズを選ぶ。
やはりF値が低いレンズというのは、撮る場所や時間の制限を大幅に緩和してくれるので、とても心強い相棒になります。そして自分に合う焦点距離が、もし50mm相当だとするなら、ぜひ一度XF35mm F1.4 Rを手にとってみてください。
Xマウントユーザーで最初の単焦点レンズをお探しの方に、ぜひおすすめしたいレンズです。