これまで富士フイルム「X-Pro2」と単焦点レンズを長年使ってきましたが、今年から「X-H1」というカメラが加わり、初めてズームレンズを購入しました。
「XF16-55mmF2.8 R LM WR」は35mm判換算で、24-84mm相当のズームレンズ。広角・標準・望遠を1本でカバーでき、F2.8通しで撮れる大三元レンズと呼ばれるものになります。
主に動画用途として使用しているのですが、写真映像ともに仕事でも大活躍しているレンズです。今回は「XF16-55mmF2.8 R LM WR」を半年使用した感想と作例を紹介します。
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XF16-55mmF2.8 R LM WRはどんなレンズ?
- 焦点距離:16-55mm(35mm判換算:24-84mm相当)
- 絞り値:f2.8〜f22
- 最短撮影距離:標準:0.6m~・広角:30cm〜・望遠:40cm〜
- 質量:約655g(レンズキャップ・フード含まず)
- フィルターサイズ:77mm
防塵・防滴はもちろん、−10度の耐低温構造、逆光条件でフレアが発生しにくいなど、フラッグシップにふさわしい設計となっています。写りにおいても単焦点レンズの描写に引けをとらず、富士フイルム最高峰の純正レンズです。
その分サイズ感や重量も存在感があり、これまで単焦点レンズを使ってきた自分としては、少々持ち運ぶハードルが上がったことも事実。写りとサイズ感はどうしても比例するところですが、どんな場面でも対応できる万能レンズとしての信頼感がそこにはあります。
XF16-55mmF2.8 R LM WRを選んだ理由
このレンズを選んだ理由は、X-H1を購入して動画撮影を始めたからです。動画の撮影は、短時間にいくつかの画角を使い分けて撮影することが多くなります。その際に頻繁にレンズを交換するのは面倒だと感じたので、まずは広角から望遠までカバーできるズームレンズが最適だと考えました。
購入の決め手となったのは、F2.8通しで撮れる点です。単焦点レンズの魅力は圧倒的な描写力とボケ感。F1.8まではいかなくとも、どの画角においてもF2.8で撮影できる点が、購入の決め手となりました。唯一の問題点は手ぶれ補正がないことだったんですが、X-H1と併用することで解消されました。
XF18-55mmではなく、XF16-55mmを選んだ決め手
このふたつのズームレンズはよく比較されると思います。ただ、F2.8通しで撮影できることや、描写力を求めていたため、XF16-55mmに落ち着きました。
ただ、XF18-55mmレンズは、コスパが良く写りもいい、おまけに手ぶれ補正まで搭載している良いレンズなので、最初の1本としても使える万能レンズです。
XF16-55mmF2.8 R LM WRの特長
- フルサイズレンズ並みの大きさと重厚感
- 高級感漂う堅牢なデザイン
- 単焦点レンズに引けを取らない描写力
①フルサイズレンズ並みの大きさと重厚感
見ての通り単焦点レンズと比べ物にならない大きさです。他のズームレンズと比較しても大きく、フルサイズレンズとあまり変わりません。
ずっと単焦点を使ってきた身としては、持ち運びづらいのが正直なところですが、描写力を考えるとこのサイズは妥当なのかもしれません。
トータルの重さに関しては、レンズの本数で調整しています。強いていえば、筒の長さにまだ慣れておらず、撮影中ぶつけそうになることが多々あります。
②高級感漂う堅牢なデザイン
外観の質感が素敵です。フジノンレンズはどれも質感が好きなのですが、このレンズも美しい。金属のひんやりとした質感がいいです。どうせならズームリングもラバーではなく、金属のような硬い素材が良さそう。X-H1とX-Pro2に装着し、全体の外観デザインも見てみましょう。
X-H1、X-Pro2との組み合わせ
まずはX-H1と。このレンズはX-H1に付けるレンズだと確信しました。X-H1のホールド力のおかげで、長時間撮影していても疲れにくいのが良い。
続いてX-Pro2に。X-Pro2だと重心が前に来てしまい、見た目もしっくりこないのが正直なところ。グリップも弱く、そもそも重いレンズは向かないと思いました。X-Pro2は単焦点レンズ一択。
大型のズームレンズは、X-H1のグリップが合って、成り立つのかもしれない。
③単焦点レンズに引けを取らない描写力
後ほど作例をお見せしますが、せっかくなので単焦点レンズとボケ感を比較してみましょう。比較するレンズは、普段愛用しているXF35mmF1.4 Rの単焦点レンズ。
それぞれ開放で撮影したとき、どれぐらいのボケ感の差が出るのでしょうか。ズームレンズはF.2.8(上)、単焦点レンズはF1.4(下)で比較してみました。
35mmの単焦点レンズはボケ感がとても気に入っているんですが、F1.4で撮影してみるとさすが柔らかみのあるボケが良い。
ズームレンズもなかなかいい感じ。F1.4の単焦点レンズと比べても、十分綺麗なボケ感をお持ちです。背景の輪郭が程良く残る美しいボケです。
XF16-55mmF2.8 R LM WRの作例
ポートレート、スナップ、風景など、このレンズ1本で自由に撮れるのは、素晴らしいなと改めて感じます。特に仕事では望遠をメインに使いつつも、突然広角を求められるシーンもあります。そんなとき慌てず広角で撮影できるのも、撮影の負担を軽減しているように感じます。
X-H1と組み合わせることで手振れ補正が効き、とても安心感を持って撮影できるレンズとなりました。
レンズの大きさ自体もX-H1であればバランスが取れるので、自分の中ではX-H1専用レンズとなりました。撮影を楽しむなら単焦点、撮影に安心感や利便性を求めるなら、ズームレンズといったところでしょうか。
ほとんどのものがこれ1本で撮影可能な万能レンズだと感じました。
最後に
ずっと自分はどこかで単焦点レンズのみを使うんだろうなあと思っていたのですが、このレンズのおかげで単焦点の呪縛から解放されました。
単焦点レンズが好きなのは変わりないですが、今回ズームレンズを使ってみて圧倒的に便利だと感じました。当面は用途に合わせて柔軟にレンズを変えていけたらと思います。もし迷われている方で、重量や金額、手ぶれ補正がネックでなければ、買って損はないレンズです。
以上、半年使用レビューで感じたことを書かせていただきました。FUJIFILMのズームレンズを検討されている方の参考になれば、とても嬉しいです。