rofmia backpack v2 3年使用レビュー

rofmia backpack v2 3年使用レビュー

バックパックは移動中の快適さに直結するので、購入時はかなり吟味して選びます。毎日多くの時間を共有する相棒的存在なので、愛着がある持ち物のひとつ。

中でも「rofmia Backpack V2」は、日本人が作るデザイン的な美しさと、ダイニーマを主素材とした機能性がバランス良くミックスされ、都市と自然両方で使える、まさに探し求めていたバックパックです。

rofmiaとBackpack V2

rofmiaのお店は、岐阜県美濃加茂市・中山道太田宿にあります。1931年に建てられた元呉服屋をそのままに、改修され造られた縫製工場とショップが併設。デザイン、パターン、縫製、販売まで、一貫して行われています。

Backpack V2は、「Shift」というコンセプトのもと、都市と自然のあらゆるシーンに溶け込むデザインと、機能性を両立させたバックパック。主な素材として、ULギアによく使われるダイニーマが使用されており、軽量かつ耐久性の高いのが特長です。

日本だけではなく、海外からの購入者も多い印象ですが、どこか日本らしい美しさと機能美を感じる、唯一無二のブランドだからかもしれません。Webサイトのデザインや写真を見て、商品の美しい佇まいや、それに引けを取らない機能性に惹かれ、購入に至りました。

容量:35L(最大)
重さ:895g
サイズ:50cm(70cm 最大時) × 30cm × 18cm
主素材
・DCF 5.0 oz(前面・背面・肩ストラップ・底面・ロールトップ上部)
・DCF 2.92 oz(側面・ロールトップ・外ポケット土台)
副資材
・Fidlock・YKK AquaGuard
・ポリエステル(高耐久伸縮素材)
・ホースレザー(すべて日本製)

引用元:https://rofmia.com/products/backpack-v2

rofmia Backpack V2に出会った背景

移動を共にする持ち物の一つとして、バックパックは昔から好きで、これまで何度も買い替えてきました。そんなバックパック探求の旅も、ARC’TERYX VEILANCE「Nomin Pack」を使い始めたことで、終えたかのように思いました。

ARC’TERYX VEILANCE Nomin Pack

ただ、ひとつ気になったのが経年劣化。ネパールからスリランカの縦断旅で酷使したこともありますが、使い始めて4年、コーティング剥がれや、ショルダーハーネスの生地が破損するなど、使い続けるのが難しくなっていました。修理も検討しましたが、見積もりだけで半年以上かかるとのことで断念。

そこで次のバックパックを探していたところ、昔から信頼している先輩友人の鳥井さんにおすすめしてもらい、購入を決めました。実際一度実物も見たことがあり、とても気になっていたブランドだったので、購入まであまり迷いはなかったと思います。

ヴェイランスのNomin Pack修理出そうと持っていったら、見積りと修理できるか分かるのに半年以上かかるとのこと。台湾に持って帰って修理出すか、このまま日本で修理して預けておくか。何れにしてもハーネス部分が損傷してちゃんと使える状態ではないので、新しいバックパックに変える!— Masato (@mst727) October 18, 2022

Rofmiaはぜひオススメしたい!いまだに僕も現役でガンガン使っています!— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) October 19, 2022

rofmia Backpack V2を3年使った感想

フルオープン式だったNomin Packからの買い替えだったので、最初はロールトップ式のBackpack V2は使いづらいと思っていました。

フルオープンタイプは全荷物が把握しやすく、特定の荷物にアクセスしやすいですが、ロールトップタイプは視認性が悪く、アクセスしづらいのが難点。

使い始めの頃は、この設計の違いに自分をフィットさせていく必要がありましたが、一度慣れてしまえば使いやすく、サイドからも荷物を取り出せるので、普段使いで不便を感じることはあまりなかったです。

それよりもロールトップによる容量の拡張性に助けられたことが多く、日常でも旅でも、愛用するバックパックとなりました。

1. ダイニーマの黒がかっこいい

今のバックパックで、ある程度金額がするものは、機能的に申し分ないものばかり。なので、僕にとっては最終的にはかっこいいかどうかが重要です。

その点、rofmiaの製品はダイニーマの黒がかっこいい。本来であれば、機能性が高くなると、アウトドア要素が強くなっていきますが、rofmiaのデザイン性により、都市でも違和感なく使えます。

ここまで機能性とデザイン性がバランス良く両立しているバックパックは決して多くないはずです。

ダイニーマについて
Shiftでは主な素材としてDCF (Dyneema® Composite Fabric) を使用しています。DCFは、Dyneema®繊維で強化された柔軟な不織布をラミネートして作られた特許取得済みの素材です。

超軽量で、鉄の15倍の強度と防水性を備えています。重量/厚さ、基準で比較した素材の中で最も高い引裂き強度と引張強度を持ちます。超軽量で防水性のあるDCFは高いパフォーマンスが要求される様々な環境で使用されています。

引用元:https://rofmia.com/products/backpack-v2

ダイニーマの注意点としては、最初はパリッとした質感ですが、使うごとに経年変化で柔らかくなり、しわしわになっていくこと。

使い始めて2年半経ったときの写真ですが、ロールトップ部分とフロント部分は、結構細かいシワがついたと思います。

使い始めて2年半のダイニーマの感じ


人によっては質感や見た目が結構変わると感じる方がいると思うので、事前にどのように変わるのか知っておくと、素材の経年変化もより楽しめるのではないかと思います。

2. 突然の大雨も平気

防水かつ止水ジッパーなので、突然の大雨にも困りません。特に今は台北に住んでおり、傘を指す頻度が圧倒的に増えましたが、バックパックに雨がかかっていたとしても、気にするストレスがなくなりました。

また、フィリピンへBackpack V2のみで行ったときは、突然のスコールから何度か荷物を守ってくれたことがあったので、防水性には絶大な信頼があります。

防水性の高さは、ダイニーマ素材だけでなく、ロールトップの形状も関係しています。縫い目部分に雨が直接当たりにくく、水が溜まりにくいことから、外から中に水が侵入する隙を与えません。

3. 突然の荷物も安心の収納力

旅の終わりに増えるお土産、出張先でいただいたもの、暑くて脱いだ厚手のコートなど、予期しない荷物は突然増えます。そんなときに何度も助けられたのが、ロールトップの拡張部分。

最大約35Lまで収納できるので、本来手で持つことになる荷物を収納できるのは、本当に便利。この拡張部分のおかげで、旅でも日常でもこれ一つで十分という安心感をもたらしてくれます。

また、ロールトップの開け閉めがマグネットで使いやすく、開口部分も広いので、アウターなど大きいものも問題なく詰め込めます。ちなみに、収納量でどれだけ外観が変化するのかというと。

普段使う場合は、二つ折りにして使用
荷物を上まで詰めた場合

見た目は完全にバックパッカーですが、いざとなったらこれぐらい入ります。ただ、ウエストベルトがないので、最大限荷物を詰めると、重さにもよりますが、移動中はだいぶ左右に振られる感覚があります。

背負い心地は良いわけではないので、常用で35Lフルで使うというよりは、荷物が増えたときのピンチヒッター的な感覚で使うのが、いちばん適していると感じます。

ロールトップ型は視認性と荷物のアクセスには欠けますが、ハイカー向けのUL系バックパックでは一般的で、容量の調節がしやすいので、Backpack V2の強みもここにあると感じました。

rofmia Backpack V2の気になったところ

新しいものを購入したとき、最初から100%完璧だと思えるものは、あまり存在しません。自分がその道具にフィットさせにいく、結局は慣れも大切だと考えています。

なので、大きな不満点はないものの、いくつか使っていて、気になった部分が出てきました。それぞれの使用用途によって感じ方は異なるので、一意見として参考いただければ嬉しいです。

1. 少し中の荷物が取り出しにくい

ロールトップ型かつ、黒色で光を通さないので、やっぱり俯瞰で荷物が把握しづらいです。また、使ってて感じたのが、収納するものが多いと、サイドからであっても荷物が取り出しづらいこと。特にカメラなどゴツゴツしたものだと、サイドの開口部が狭く感じ、ちょっと取り出しにくい。

上述した通り、ロールトップ型はULハイカー向けのバックパックだと一般的なので、好みと慣れの問題だと思います。持ち物の量や用途によっても使いやすさが変わるので、ロールトップ型とフルオープン型どちらにするかは、まだいろいろと考える余地がありそう。

2. 背中に熱がこもりやすく、蒸れやすい

バックパック共通の課題ですが、暑いときは背中が蒸れます。そのため、基本的に背中部分は汗を吸収してくれるものや、放熱したりしてくれるものがあります。ただ、Backpack V2の場合は背中部分もダイニーマ。

なので、他のバックパックと比べても、背中側の通気性が低く、熱気がこもっている感覚があり、蒸れやすいと感じます。その他のダイニーマ素材のバックパックでも基本同じことが言えるので、妥協が必要な部分だとは思います。

3. 7kg以上だと背負い心地はそこまで良くない

長時間背負うことを考えて作られたハイカー向けのバックパックと比べると、肩部分のクッション性はそこまでなく、7kg以上の荷物を長時間背負うと、少し肩に食い込む感覚があります。

また、ウエストベルトがないので、フルで荷物を入れると、歩いているときに左右に振られやすいので、背負い心地はあまり良いとは言えません。

以上のことから、このバックパックだけで旅行も可能ですが、荷物をフルで入れた状態で長時間背負うような使用は、あまりおすすめしません。スーツケースと併用して、日常と変わらない感じで使うのが良さそうです。


僕は今のところ、撮影機材が多いときや、長期の旅をバックパックだけで行きたいときなど、トータルの荷物が重くなる場合は、それらに特化したバックパックを使うのが良いという結論です。

何れにしても日常やその延長線上で旅をする場合には、最適なバックパックで、何よりかっこいいので、ライフスタイルや使用用途に合う方には全力でおすすめしたいです。

rofmia Backpack V2は大変高価なものですが、それゆえに長く使いたいと思える喜びがあるし、これ一つあればどこでも行けるいう安心感があります。買って良かったと思えるバックパックです。

最後に

購入前にrofmia Backpack V2のレビューを探したのですが、日本の記事も海外の記事もほとんど見当たらない。

なかなか高価なものにも関わらず、購入判断材料が少なかったので、これは自分が書きたいと思い、今回久しぶりにレビュー記事を書きました。

正直なところ、rofmiaはすぐに完売してしまうので、オンラインだとなかなか購入できません。欲しくてもなかなか買えない方いるなかで、安易に書いていいものなのか迷いました。

ただ僕自身、本当に良いと思ったものは「これめっちゃいいんですよー!」と誰かに伝えるのが好きなので、これまでの実体験も踏まえた上で執筆しました。

今回の記事を読んで、良さそうと思っていただいた方はぜひ、バックパック選びの候補に加えていただけたら嬉しいです。