ファインダー越しに旅する、ネパール癒しの街「ポカラ」|ネパール旅行記②

ファインダー越しに旅する、ネパール癒しの街「ポカラ」|ネパール旅行記②

2018年5月16日

どうも、佐田真人(@mst727)です。

世界を暮らすように旅しながら、訪れた街の日常を、写真と文章でお届けする「旅行記コラム」。今回は湖と山々に囲まれたネパール「ポカラ」の街から。

カトマンズからバスで揺られること7時間、やってきた街の名前は「ポカラ」。湖と山に囲まれた空気のきれいな街だ。ところでポカラ、一度は口に出してみたいドラクエの呪文のような言葉で、一人で「ポカラ!」と何度か唱えてみたのは、ここだけの話だ。

ポカラはカトマンズと比べると街全体が観光地化しており、いわゆる自分がイメージしていたものよりもずっと俗っぽかった。数年前に訪れた人に話を聞いてみると、「こんなおしゃれな建物はなかった」「前のポカラでは考えられない」という声を聞く。

それでも湖沿いに出ればそんな俗っぽさは気配を消し、ゆったりと散歩を楽しめるのどかな街だと感じた。

中心地からすこし外れ北へ向かうと、そこに人が集まってなければきっと通り過ぎてしまっていた、看板のない小さなベーカリーがあった。簡素で殺風景な空間だったが、地元の方たちや長期間滞在している旅行者たちの間で、親しまれているお店のようだった。

せっかくなので、ガラスケースのトレーに並べられたマフィンを買って行くことにした。味の違うものを1つずつ買ってしまう癖は、海外に来ても直らない。そんなマフィンの入った袋を右手人差し指に引っ掛け、店を出る。

初めての街でもしかしたら行きつけになるかもしれない、そんな素敵なお店を見つけると嬉しくなる。これこそが僕の旅における楽しみの一つでだからだ。そんなお店といえば、もうひとつポカラで忘れてはいけないお店があった。


ネパールのポカラでの、一番印象に残った出会いといえば、黒のウールコートだろう。そこもまた看板のない薄暗いお店だったが、お店の隅っこのマネキンに着せられた黒のウールコートに、一瞬で惹かれてしまった。


見渡せばそのお店にあるコートすべてセンスが良い。そしてどこか日本の着物からインスパイアされてるようにも感じた。聞いてみればお店のおばあちゃんは、むかし日本のデザイン事務所で働いていたらしい。その時の経験がいまのデザインに生きているのだとか。

黒のウールコートに袖を通してみると、一点もののサイズにも関わらず、自分の体にピッタリと合った。これはもう買えということだと思い、迷うことなく購入を決めた。

旅の最中になにか惹かれるものに出会えることはとても嬉しい。日本を出てここに来ないと決して出会わなかったものだからだ。
自分から進んでなにかを探すわけではないけれど、これからも自分の琴線に触れる旅の買い物をしていければと、強く感じた出会いだった。

参照:ネパール・ポカラの仕立て屋さんが作った黒のウールコート|旅先で惹かれたもの No.1

街を歩くときはカメラを常に右手で持っているのだけど、ストリートスナップを撮っていると、たまに同時カメラ好きな人に、声をかけられることがある。ある日カメラをぶら下げて街を歩いていたとき、本格的なカメラバッグを背負ったカメラマンの男性が、ふと声をかけてくれた。

「君のカメラ、ライカかい?フィルム?」

「ライカだったらいいんだけど、FUJIFILMのX-Pro2。だけどスナップを撮るには十分良いカメラだよ」

「クールだね。形が似てたからライカだと思ったよ!僕はいま湖の方で撮影してきたんだ」

共通の趣味を持ってるもの同士、海外であってもこうして気軽に話せるのは、やっぱり嬉しい。海外ではFUJIFILMのカメラを持っている人が少なく、レンジファインダー式のカメラを見たら、興味津々に声をかけてくれる人が増えた気がする。

「Have a nice shooting!」

別れ際に彼が言ってくれた一言で、妙に足取りが軽くなった。ここからは、そんなカメラで撮影したポカラの写真を掲載。ファインダー越しに見た「ポカラ」の日常を、すこしでも堪能していただけたら嬉しいです。

*Wi-Fiが弱いため、後日改めて更新!