台湾の賃貸の探し方と手順

台湾の賃貸の探し方と手順

台湾に移住してまず困ったのが「家探し」。

台湾在住4年目になり、台北の会社を退職して、1ヶ月半ほど日本に帰国。2023年9月に台北に戻り、最近漸く住居が見つかりました。

これまで3回引っ越しているので、台北の部屋探しにはだいぶ慣れてきましたが、初めてのときは本当に何も分からず、いろんな方の記事を読み、台北在住の方にDMして教えてもらうぐらい困ってました。

今回は、あの頃の僕と同じように、これから台湾で一人暮らしをされる方の参考になればと思い、これまでの経験から賃貸の探し方と手順をまとめました(台北で探す方向け)。

台湾の賃貸の探し方は大きく3つあります。

  1. 591租屋という台湾の賃貸サイトで探す
  2. 台湾の賃貸系のFacebookグループで探す
  3. 台湾のシェアハウスやソーシャルアパートメントを探す

僕の場合、1件目はソーシャルアパートメントに住み、2件目はFacebookグループから連絡した物件、3件目は591租屋で見つけました。日系の不動産会社に仲介してもらう方法もありますが、僕自身が利用していないので今回は省略します。

物件を探し、内見し、契約が完了して、引っ越しするまでの期間の目安は、だいたい1ヶ月ぐらい見ておくのと良いです。僕はだいたい物件を見つけてから、最短2週間ぐらいで引越しが完了しました。

1. 591租屋という台湾の賃貸サイトで探す

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591租屋

まずは基本となる探し方で、「591租屋」で部屋を探す方法。だいたいの方がこの方法で部屋を探していると思います。

流れとしては、Webサイトから検索して良い物件を見つけたら、掲載している大家さんか仲介業者さんに電話かLINEをして、内見のアポイントをとる。

良い部屋を見つけたらすぐに連絡しないと、一瞬でなくなるので、本当に良いと思った部屋は、以下のテンプレートなどを準備して、すぐに連絡しましょう。

内見の連絡をする時のテンプレート文(適宜変更してください)
〇〇先生 or 〇〇小姐 您好,
我是在(台北工作的日本人),為了◯月中搬家找房子。我在591看到您出租的房子(591のURLを記載)。
請問這房子還有空嗎?若有空房的話,請問可以跟您預約看房子嗎?如果其他日期比較方便,請再告訴我。謝謝!

■希望看屋時間
・○/○()○:○○以後
・○/○()○:○○以後
・○/○()○:○○以後

日本の賃貸検索サイトと同じく、フィルターをかけて検索しますが、僕の探し方はこんな感じで、MRTの最寄駅を基準にして探すことが多いです。

  1. 位置(立地):按捷運
  2. 類型(部屋タイプ):獨立套房(一人暮らし希望の場合)
  3. 租金(家賃):10,000-20,000元 or 20,000元-30,000元
  4. 型態(建物の種類):公寓 or 電梯大樓
  5. 須知(注意事項):「排除頂樓加蓋」にcheck

特にこだわりがなければ、上記の項目でフィルターをかけて検索するのがおすすめ。もう少し詳しく上記の項目について解説します。

①位置(立地)

立地は、「按捷運(MRTの最寄り駅)」で検索するのがおすすめ。エリアによって雰囲気や利便性が異なったりするので、内見時に、スーパーやコンビニなどの場所もチェックしておきましょう。

台北市内だと基本どこに住んでもさほど不便ではないですが、MRTのブルーラインの近くがより便利。これまで僕が住んだ場所は、「龍山寺駅、新莊駅、善導寺/忠孝新生駅」の近く。台北市内が良い場合は、家賃が少し下がるエリアが狙い目。例えば…

  • MRTグリーンラインの古亭や公館より先(学生街で夜市もあり食事に困らない)
  • MRTグリーンラインの台北小巨蛋とブルーラインの忠孝敦化(駅から微妙な距離にあるので少し安め)
  • MRTレッドラインの中山近くの林森北路付近(飲み屋街なので少し安め)
  • MRTレッドラインの北投あたり(市内から少し離れる)
  • MRTのブルーライン後山埤から南港あたり(市内から少し離れる)
  • MRTオレンジライン中山国小や大橋頭から先の新北市方面(市内から少し離れる)

MRTのライン問わず、台北市内から新北市に出てしまえば、基本家賃は下がります。台北を囲むようにある新北市ですが、台北市内まで30分圏内とアクセスが良く、暮らすにも最適な街。学校や職場からの距離を調べ、住むエリアを絞っていきましょう。

②類型(部屋タイプ)

完全に独立した部屋で一人暮らしがしたいなら「獨立套房」、シェアハウスを希望するなら「分租套房 or 雅房」で探しましょう。各部屋の種類は以下の通り。

整層住家:ファミリー向けの物件
リビング、ダイニングルーム、寝室など複数部屋があり、例えば、「2房2廳1衛(ベッドルーム×2, 2LDK, トイレ×1)」のような表記で記載されます(房:ベッドルーム|廳:リビング|衛:トイレ)。

獨立套房:ワンルーム
キッチンなしとありの物件がありますが、ありの場合だと「含廚房 / 有廚具 or 可開伙」と記載されています。基本ワンルームを希望であれば、こちらから探しましょう。

分租套房:玄関が共有でそれぞれの部屋があるもの
共用の玄関があり、それぞれの部屋に分かれている物件。自分の部屋にトイレやバスルームがあることが多いですが、キッチンはなく、洗濯機は共用のパターンが多いです。もともとは一つの大きな部屋を何部屋かに分けてる物件が多く、日本の方がイメージするシェアハウスとは少し違い、住人同士の交流はないです。

雅房:シェアハウス
日本の方がイメージするシェアハウスに近く、ファミリー向けの大きな部屋を複数人でシェアする物件。自分の部屋はありますが、リビングやキッチン、トイレ、バスルームなどが共用で、住人同士の交流もあるのがこのタイプ。ただ実際は「分租套房」と「雅房」は検索すると混同されていることが多いです。

③租金(家賃)

最初は「12,000元〜20,000元」で探していました。もともと「10,000元〜15,000元」から探し始め、20,000元まで許容範囲を伸ばしました。空間に余裕のある物件やキッチンありの物件を求めるなら、最低でも15,000元以上は必須。

結局これまで住んだ物件の家賃間は、18,000元〜30,000元以下の範囲内。30,000元以上は複数人で住んでるイメージです。ちなみに駐在員の方は4万元以上の部屋に住まれている方が多かったです。

一人暮らしの友人たちは、15,000元以内の部屋に住んでる方が多かったですが、僕は部屋で余計なストレスを抱えたくなかったので、多少家賃が高くても自分が納得できる部屋に住もうと決めてました。収入や好みも関係してくるので、まずは「591租屋」を見て、相場感を掴みましょう。

④型態(建物の種類)

大きく「公寓(アパート)」と「電梯大樓(エレベータ付きマンション)」に分かれています。建物の外観が気になる方は、物件ページに住所が掲載されていることが多いので、事前にGoogleマップで調べておきましょう。各建物の種類は以下の通り。

公寓:アパート
電梯大樓より家賃が安めで、外観は古い建物が多い。エレベーターがないので、4F以上の物件は上り下りがきついです。これまで住んだ公寓の物件は2Fと4Fでしたが、4Fが限界でした。

電梯大樓:エレベーター付きマンション
比較的外観がきれいな建物が多く、入口に管理人や警備員がいる建物も多い。エレベーターやその他設備が充実しており、公寓より家賃は高めです。プール事務付きの物件などもこのカテゴリになります。

透天厝:一軒家|別墅:別荘
一人暮らしの物件を探す際、この2つはスルーしてもいいと思います。

⑤須知(注意事項)

好みによりますが、僕の場合は「排除頂樓加蓋」にcheckを入れ、除外して検索しています。

「頂樓加蓋」とは?

建物の屋上に増築された部屋のこと。屋上を有効活用し家賃収入を得るために増築された物件ですが、作りの良し悪しがピンキリで、違法と合法物件が混じっているので、少し注意が必要な部屋です。

良い点としては、部屋が広いのに、家賃が安く、屋上も使える場合が多いこと。悪い点は、エレベーターがない場合は上るのが大変。あと夏は暑くて冬は寒く、外装が不十分だと雨の日は雨音がうるさい。

良い話も悪い話も両方聞くので、おすすめはしづらいですが、もし気になる物件があれば、一度見に行ってみましょう。

2. 台湾の賃貸系のFacebookグループから探す

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台北新租屋(Facebookグループ)

591租屋と探し方はそこまで変わりません。良い物件の投稿を見かけたら、投稿者にDMしてアポイントをとる。ここでは実際、僕がチェックしていたFacebookグループのリンクを貼っておきます。

591租屋にすでに掲載されている物件が多いですが、ここにしか掲載されていない物件もあるので、本格的に部屋を探されている方は、こまめにチェックしておくといいです。

あとFacebookグループではないですが、「台北掲示板」という台北在住の日本人が集まる掲示板もあります。ここでルームメイトや賃貸情報が掲載されていることもあるので、一応掲載しておきます。

3. シェアハウスやソーシャルアパートメントを探す

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Alife FL

もし一人暮らしの方であまり他の人と住むのに抵抗がない方であれば、シェアハウスもありです。比較的おしゃれな物件があるので、いくつかよく話を聞くシェアハウスを掲載しておきます。

  • HOME SWEET HOME(同僚が住んでいて良いと言っていたシェアハウス、社会人の方が多いらしい)
  • 半伴 apartner(住んだことはないが雰囲気的に良さげだったシェアハウス)
  • BORDERLESS HOUSE(検索でいちばん目立ってるシェアハウス、シェアハウス好きな方は良さそう)
  • zuker(台湾の友人に教えてもらったサイト。リノベ物件のシェアハウスを取り扱っているそう)

僕が台湾っぽくて良いと思っているのは、ソーシャルアパートメント。住民同士のコミュニティがあり、住居以上の付加価値を提供をしている会社があります。

  • 9floor(僕が台湾に来て最初に住んだ場所で、管理もしっかりしていて住みやすかった)
  • Alife(台湾でいま人気が高い物件。実際内見もさせてもらったが、制度も充実していて良かった)

シェアハウスとは異なり、それぞれバスルームがついていて、建物内に共有キッチンやスペースがあります。一人の空間もほしいけど、他の人との交流も楽しみたいという方にはおすすめ。

台湾で賃貸を探す前に知っておきたいこと

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9floor

台北で部屋探しをする前に、知っておきたいことを最後にまとめました。

①家賃は東京と同じ基準で探すと高い

台北は家賃が高い割に、クオリティ的には日本と比べると劣ることが多いです。理由はいくつかありますが、そもそも建物が古いのと、部屋のオーナーがあまりデザインを気にする人が少ないのが、大きいのかもしれません。

台湾は外食文化のため、キッチンがデフォルトで設置されていないところも多いです。キッチン付きだと家賃は上がり、日本と同じクオリティを求めると、一人暮らしワンルームの賃貸でも10万円は超えてくると思います。

ちなみに、家賃以外でかかるものは…

・押金(敷金で家賃2ヶ月分のところが多い。礼金の概念はない)
・管理費(ないところもあるし、毎月500〜2000元ぐらいのところも)
・電気代(僕の場合は毎月600元〜1,500元ぐらいかかっていた)

水道代とWiFi代は家賃に含まれてるところが多い。WiFiがない物件もあります。

②掲載されてる物件と実際の物件は違う(絶対内見しよう)

591で掲載される物件の写真は、それなりに画像が編集されていたり、そもそも写真と全然違う物件も多いです。なので、あまり期待せず早めに内見に行くのがおすすめ。

特に掲載画像は広角で撮影されているものが多いので、実際より広く見えます。あと画像では分からない部屋までの道中や、周辺エリアの雰囲気も重要。

これまで見た物件で、部屋全体に下水臭がしたり、建物が暗く部屋に行くまでの道中が不衛生で、雰囲気も良くない感じの場所がいくつかありました。事前にGoogleマップで周辺エリアも調べておきましょう。

③内見を予約したあともキャンセルになることがある

すでに内見して物件を決めた方や、先に訂金(前金のようなもの)を支払い、部屋をキープした方がいた場合、内見がキャンセルになることがあります。特に人気な物件に多いです。

最初、訂金の存在を知らず、大家さんから「部屋が良かったら先に前金を払ったほうがいい」と言われ、不信感を持ったこともありました。この前金は返ってくる場合と返ってこない場合があるので、事前に確認しましょう。

④内見は複数人同時のパターンもある

これも人気物件あるあるですが、複数人同時に内見するパターンもあります。そして、その内見時に口頭で「ここに決めた」と宣言した方がいると、それで決定になります。競りやオークションみたいな感覚で面白いですが、本当に良い場合は早めに即決してしまったほうがいいのが台湾。

⑤大家さんの人柄が大切

台湾では日本と異なり、大家さんとやり取りすることが多いです。物件によりますが、毎月の家賃支払いの連絡や、何か問題があった場合などです。

僕はこれまで幸いにも良い人にあたってきたので、必要な家具の購入や入れ替え、その他家賃の交渉などにも応じてくれる方が多かったです。

何か問題があったとき、快く対応してくれる人かどうかは、最初に見極めておきたいところ。僕は物件が良くても、大家さんとのやりとりに違和感を感じたり、噛み合わないと思ったら、取引はしないです。

台湾での家探しは、初めてだと不安なことが多いと思いますが、この経験が後の台湾生活の糧になってくるはずです。今回まとめた情報が、これから台湾の部屋探しをされる方にとって参考になれば嬉しいです。