台北暮らしの病院事情、健康診断はどうしてる?

台北暮らしの病院事情、健康診断はどうしてる?

台北の会社を退職して以降、ずっと行ってなかった健康診断に、ようやく行ってきた。2025年の上半期は体調的に悪いことが重なり、そろそろちゃんと健康に意識を向けるため、まずは自分の身体の現状を知ろうと思った。

特に今はAIがあるので、身体の状況が分かる客観的なデータがあれば、生活を改善しやすい。今回は初めて1人で健康診断を受けたので、台北で個人が健康診断を受ける場合は、どうすればいいのかを書き残しておく。

台北で健康診断を受ける前に調べたこと

台北の会社にいた頃は、病院の方が会社に来てくれたので、どこで受ければいいのか、どれぐらいの費用がかかるのか、最初は分からないことが多かった。

そもそも台湾の健康診断は、一つひとつの検査が、医療機関や目的に応じてパッケージ化されたものになっている。基本的には自分に適したパッケージを選び、追加で検査したいものがあれば、追加した分の費用を払い受ける。

なので、「基本のパッケージ+追加で受けたい項目」の合計が健康診断にかかる費用になる。そのため、事前にどんな検査項目があり、何を調べたいのかを明らかにしておくことが重要だ。

自分はまず、日本語で日本と同じ内容のものを受けられるところがあるかを調べた。そこでまず分かったのは、「台湾の一般的な健康診断」と「日本式の健康診断」が大きく2つあることだった。

台湾の一般的な健康診断と日本式健康診断の違い

まず、日本で行われている健康診断の主な種類は、以下の3つに分類される。一般的な健康診断と人間ドックはよく知られていると思う。

  • 一般健康診断(定期健康診断)
    身長、体重、視力、腹囲、聴力、胸部X線、血圧、尿検査、心電図、血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖等)など、基本的な検査項目が含まれる
  • 特定健康診査(特定健診)
    一般健康診断に加え、メタボリックシンドロームに着目した腹囲測定と、生活習慣病に関連する詳しい血液検査が実施される
  • 人間ドック
    一般的な健康診断よりも検査項目が多く、全身を総合的に詳しく調べることができる

台湾の一般的な健康診断は、日本の一般的な健康診断と同じで、定期的に受けた方が良い基本的な健康診断になる。ただ、個人で受ける場合は、パッケージ内容によっては日本よりも検査項目が少ないことがあるので、受けたい検査は自分で追加する必要がある。

費用は自分で調べた範囲だと、無料で受けられるものから(30代は5年に1回のみなどの条件あり)、5,000元前後で受けられるものが多かった。

次に日本式の健康診断は、日本でいう「人間ドック」を指す。最初は日本語で受けられる、日本のような健康診断だと誤解していたが、金額が高かったので調べてみたら、人間ドックのような意味合いだった。

費用は12,000元ぐらいからだが、一般的な健康診断よりも検査項目が多いので、追加する項目によって金額のレンジはだいぶ変わってくる。詳しくはいくつかの医療機関に掲載されているので、確認してほしい。

台北で受けた健康診断の内容と医療機関

今回受けた健康診断は、無料の基本的なパッケージに加えて、オプションで血液検査を追加、合計費用は200元だった。以下は健康診断を受けるまでの実際の流れだ。

  • 前日診断の8時間前から飲み食いなし
  • 当日午前中に直接病院に行く(基本的な検査なので予約不要だった )
  • 居留証と保険証を持参して受付
  • 健康診断(身長、体重、腹囲、血圧、尿検査、心電図、血液検査等)
  • 問診
  • 1週間後に結果を受け取りに行き、再度結果を見ながら診察してもらう

かなり簡易的な検査で終わったので、少し物足りないぐらいだったが、今回はまず自分の基本的な身体状況、主に血液の情報が知りたかったので、基本的な検査のみを受けることにした。

さらに詳細の検査は、次回日本へ帰国したときに受けたいので、その際に改めて受けられたらと思っている。台湾でも詳細の検査を行う場合は予約必須なので、事前に調べる必要がある。

健康診断を受けた台湾の医療機関とその他候補

今回受けた医療機関は「臺北市立聯合醫院林森中醫」。ここにした理由は、Webサイトに健診のパッケージ内容が掲載されており、自分が求めているものだけを安く受診出来たことと、家からアクセスが良かったから。その他人間ドックを受けられる、以下の医療機関も候補に挙げていた。

台湾の一般的な健康診断であれば、受診できるところは結構あると思うので、自宅からアクセスの良い場所から探し、Googleマップの口コミを見ながら絞っていくのが良い。ちなみに口コミについては、必ず最新の口コミがどんな内容なのかを確認するようにしている。

例えば、低評価がついている内容だったとしても、「スタッフの感じが悪かった」などであれば、投稿した人の感覚的な部分もあるので、同じような内容が他にあるかチェックするなど、内容は見るようにしている。

実際行ったところは、日本語ができる方はいなかったが、診察いただいた先生は、一つひとつ丁寧に説明してくれたので、安心感があった。台湾の医療機関に関しては、まだまだ知らないことがたくさんあるので、これから台湾在住の方にもいろいろと聞いていけたらと思う。

台北生活の病院事情

普段の病院事情について、体調を崩しそうなときは、目の疲れから頭痛になることが多いので、その予兆を感じたら、まず「めぐリズム」を使って寝ることで、食い止めることが多い。

そこで防げなかった場合は、薬局に売っている「普拿疼」で様子を見る。それで防げなかったら、病院に行って処方箋をもらう。病院は最終手段になることが多い。

例外で、今年の旧正月は体調を崩し、大型病院の深夜の急診にお世話になった。このように緊急で何かあったときのために、自宅付近の病院事情を調べておくことは重要だと思った。

その他、歯医者は定期的に通っている。台湾に来てからは割と転々としていたが、ここ1、2年でようやく通う場所が落ち着いた。

台湾の国民健康保険のこと

診察を受ける際に必要になる保険証。台湾は「全民健康保険」という、全員一律の健康保険の加入が義務付けられている。日本の健康保険は、国民健康保険以外にもいろんな種類があるが、台湾は制度が一本化されているので非常に分かりやすい(民間の医療保険もある)。

医療機関の診察料も、規模感によって異なるが、だいたい同じ金額感であることが多い。例えば、小規模なクリニックだと、だいたい200元前後の診察料だと思う。薬代も保険適用の範囲内であれば、比較的安く抑えられる。

保険証(健保卡)はICチップ付きの薄い青色のカード。どの医療機関でもこのカードを提示するだけでスムーズに受診できるし、退職や再就職に伴う更新手続きも比較的簡単だった。ちなみに外国人も、居留証を取得して長期で滞在する場合は、加入が義務づけられている。

自分もまだ台湾の医療機関について、詳しいわけではないので、もし台湾の医療機関に行かれる際は、実際に調べてみてほしい。

今回の健康診断をきっかけに、生活も改善していきたいので、今後台湾の医療事情やヘルスケア関連でお伝えできることがあれば、また書いていけたらと思う。


この記事は「ニュースレター」に書いた内容を転載したものになります。